
初めに・・我々はニンゲンに対して敵意は持っていない
育ててくれてむしろありがたいとも思っている
ただ我々にも哲学というものがあるのなら
何のために生まれて、何をして喜ぶ?
分からないまま終わる そんなのは嫌だ
と言いたい。
悲しくなるので我々のニンゲンどもへの貢献と一生を簡単に
自己紹介させていただくことにする
日本には第二次世界大戦後くらいに
ロクローヤマダに連れられてきた
ロクローヤマダはくいだおれの創業者でもあるらしい
すごい奴らしい
もともと我々はさ、時を告げたりさ、しっぽが綺麗な愛玩用として育てられてたのに
なんか気づいたら配合配合配合配合…で
短期間で急速に成長できるようになったのさ
50日もあればさ雛から2㎏ぐらいまで一気に大きくなることが出来るわけ
飼育日数が少なくて済むからエサ代もそんなにかからないしたくさん肉取れるからって
もう世界中で大人気、しかも安い
紙一重で違う道に歩んだ地鶏と呼ばれる鳥たちは
2~3倍くらいの日数かけてゆっくりゆっくりと成長させてもらって
高価な価格で売られていくんだって。
かつてはブロイラーが確実に安さと量で地鶏を追い込んでいたのに
今や高級志向でニンゲン共は地鶏にお熱だ
まぁしかし我々は年間で日本人の人口より確実多く出荷されているから
我々を怒らせると何億羽というブロイラーたちが立ち上がることに
なるから気を付けて欲しい、日本のニンゲンなんて簡単に滅ぼしてやる。
しかしここで問題がある。
愚かなニンゲンどもはなんと我々が立ち上がれないくらいまで成長することに
成功してしまったのだ
本来ゆっくりと成長して骨格を作っていくところを
無理やり肉だけつけるから骨の強度や肉以外の成長が追い付かず
仲間達の30%は立つこともできずさらに3%ほどは歩くことすらできない。
我々から空を奪い、さらに地上ですら移動することも許さない、とんでもない事をしてくれたもんだ
だからこそせめて捨てないで最後まで食べてほしい、我々も一生懸命生きていたのだ
出荷され、肉となったあとにせめておいしく食べてもらいたいという気持ちくらい
持ってもいいじゃないか
我々は同じ日に鶏舎に入れられて同じ日に鶏舎を卒業する
仲間たちはどこに行くかも知らないけどさ
おいしく食べてもらえずに処分されるのはやめて欲しい
それなら初めから生産量を考えて欲しいもんだ。
多くは語らないけど
『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』
を読むと良いヨ、鶏のこと見直すきっかけになるからさ。
ありがたさを知って欲しい。
今日の産業化したニワトリの状況は、「絶滅よりも悪い運命」に置かれている
まぁこれを言っているのもニンゲンどもなので気持ちのいい話ではない。
ただ一つ言えるのは
ニワトリ無くして、人類無いもし世界からニワトリが消えたらどうなる?
アメリカで暴動が起きるだろう、カーネルサンダースが空を飛ぶ
マクドナルドからチキンフィレオがなくなり
コンビニからファミチキやLチキが消える
きっと各地でパニックが起きるに違いない。
暴動に次ぐ暴動でセカイノオワリを迎えるだろうドラゲナイ
鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量は常に増え続けている
新興国・途上国での需要は特に高い
安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民と呼ばれるニンゲン共の胃袋を支えている
ニンゲン共にとって不可欠な食材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっていくだろう
そしていつの日かニンゲン共を駆逐し
地球が鶏の惑星となる日も近い。