
先日興味深いツイートを見た
食は「アート×サイエンス×デザイン×テクノロジー」の十字路に立つものとして研究しています、という石川先生のツイートです
「現代アートとしての料理」や「フードとアート」は、ここ5年くらい自分の中でずっとうなされているテーマで、いずれきちんと整理したいという気概はある。
— 石川伸一 Shin-ichi ISHIKAWA (@yashoku_nikki) February 14, 2020
今ひとつ言えることは、食や料理は基本保存できないので、一過性、可変性の特徴を持つ芸術ということでしょうか。https://t.co/8mvs7ZFua0
この件に関してはおそらくたくさんの学者さんや料理人や知識をもった人々が議論している内容なのではないかと思う。
食べることで完成する芸術
アートと呼ばれるものの中でも
消費されることを前提とした作品と考えるととても稀有なものな気がする
我々料理人は当然人に食べてもらう前提で料理を作るし
気持ちよく食べてもらうために綺麗に盛り付ける。
もちろん大半の料理人は料理をアートだと思って作っているわけでもないし
芸術として残したいというような気持ちもきっとないと思う。
しかし常に研究をかさね食材の背景を知り、自分の感性を磨き表現し続ける
それは消費されることで変化するアートであることに変わりはない。
リオネル・ベカ | ESqUISSE
知る限り料理人最高の芸術家は彼だと思う。
TRANSVERSALITÉ*
料理とは、五感を同時に総動員し、人間によってのみ実現される包括的な芸術であると私は思います。
料理に専心する者にとって、料理は深い喜びであり、世界を語ること、
他者と分かち合うことと同等の行いであり、与え、愛すること、理解すること、
命を大切にすることであり、地球に耳を傾け、地球と正しく向き合うことに役立つものでもあります
・・・・・
私は料理を言葉で語るよりも、大切な4つのポイントをここで皆様と分かち合いたいと思います。
これらは星のように輝き、料理人として、人として、私に歩むべき道を示してくれる道標でもあるのです。
【トランスフォーメーション(変換=調理)】
技術、知識、論理、機敏、信念、精度、忍耐
【詩】
本能、直感、感性、叙情、想像、高揚
【空間と時間】
地理、法則、歴史、味覚、書き起こし、伝統、記憶
【パラレル(料理とパラレルな別世界)】
芸術、唯一無二、哲学、好奇心、旅
https://www.esquissetokyo.com/worlds/
鮮やかかつ繊細でまさに絵をかくような盛り付け
そして感性を総動員した味付けは本当に美そのものです
この方の作る料理も耽美的であり
だから美しい。

生きるための食事
他方でわれわれは生きるためには食事というか栄養を補給しなくてはならない
そこに美や芸術性といった要素は本来必要なかった・・
しかし長い年月をかけて人間は食べることをアップデートしてきた
命を頂くという儀式的な要素はより大衆化して食事となった。
料理人という人間の登場で劇的に”食”の文化は進化を遂げた
そして現代の我々はフードロスなどという本来あり得ないであろう問題に何故か
真剣に向き合わなくてはならない。
料理人の登場がもしも今の問題の引き金の一つなのであれば
料理人として真摯に向き合うことは考えなくてないといけないと思う。
そして人類の選択の果ての今なのである
次の進化の大いなる動きに乗るだけではなく
意思を持って取り組みたい。
美食家が悪いとも思わないがそこに美はないと思っている。