チキンコラム|竹ニ上下ノ節有 松ニ古今ノ色無

チキンコラム|竹ニ上下ノ節有 松ニ古今ノ色無

それは昼下がりの事だ

厚く閉ざされたその扉を隠された

肌を傷つけないように

丁寧に丁寧に剥いでいく

あなたは美しい

その柔らかい肌、滑らかな肌、そして白い肌

汚すことなど許されないその肢体を

ワタシは丁寧に扱う

ここまでは長かった・・

身体についた土を落とし

八百屋さんでもらったぬかを浴槽に入れる

強火でいいが、最初の沸騰の際に溢れることがある

ので決してその美しい肢体から目を離すことはしてはいけない

一度沸騰すればあとはしっかりとお湯が沸いた状態でグツグツする

3時間もすれば柔らかな体にホグレテいるだろう

ゆっくりと水にさらしながら体温を下げていく

そう急激な温度変化は彼女にとってストレスだ

2時間もすれば体温が下がり、やっと厚く閉ざされた肢体へ

手をかけることになる、何重にも折り重なった皮を剥き

丁寧に丁寧にその肌を露出する

ここで初めて君を口にする、いわゆる味見だ

むせ返るような春の花々の匂いに混じる微かな土の匂い

それは落ち葉なのか?木々なのかわからないが確かにそこにある

豊かな山々で醸成された香り、一糸纏わぬ姿になったからこそ

解き放たれたこの香り

長き時を湯船に浸かり、柔らかくなった君

そう君は土の眠りから覚めし眠り姫なのだろう

さぁ

後味に「エグみ」がなければ

筍の水煮の完成だ。

竹ニ上下ノ節有 松ニ古今ノ色無

平等といっても区別はあり、区別があっても平等であるのだから、本来の姿そのままを認めてこそ円満であるのだよ。

というありがたいお言葉を肝に銘じて今日も人々と接しましょう。

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