【料理人の本棚】縄暖簾ごしに見えてくる歴史【酒場の京都学】

【料理人の本棚】縄暖簾ごしに見えてくる歴史【酒場の京都学】

今日は料理人の本棚の更新をしよう。

何かと理由をつけてさぼる癖があるのはご愛敬だと思うけれど

意外と見てくれる人もいらっしゃるので

続けたいとは思う。

前回の本棚が今年の2月・・

さぼり癖とんでもねぇ。。。

しかも前回は紹介の部分が強くて良くないと反省

今回は【文化】の側面から料理人、もしくは【飲食店】がなぜ

必要とされてきたかを考察し、我々料理人が

どれほど素晴らしい文化の橋渡しを行い、そしてこれからも

行っていけるのか、ということをお伝えしたい。

酒場の京都学 加藤政洋

酒場が好きです・・

酒場の京都学

この一文に心を掴まれて買ってしまいました

決して安くはない

でも買ってしまった

僕らはお酒の「場」であったり食事の「場」を提供する職業である

料理人は勘違いしがちであるが「料理」を提供することは

食事の「場」の一部でありすべてではない

この事を理解していない料理人は自己満足の料理を作る

盛り付けにこだわり見栄えを意識する

「場」の一部であることをわからないと独りよがりの料理になる

それでは人の心は動かない

では何が人の心を動かすのか?

日が暮れてこの界隈を歩くと、京都という町も観光客のためだけにあるのではない、と当たり前のことに気づく

酒場の京都学

京都を歩いたことがある人はなんとなくイメージできるかもしれないが

本当に京都には独特の雰囲気がある

謎の趣、そして風情

どこを歩いても下駄の音が聞こえる気がするし

一歩裏路地に入ればそこはアンダーグランドである

そんな裏路地で食べるおでんがおいしくない訳がない

「裏路地」「古びた入り口」「おでん」

この三拍子が揃う「場」だからこそ美味しい「おでん」が存在する

これが河原町の居酒屋で同じ「おでん」が出ていても

誰も同じものだと気付くことはないだろう

これが「場」の力だと思う。

序章の裏町の酒場からに始まり、第1章の「茶屋酒」の系譜学、第2章の酒場の登場、第3章の洋酒酒場と花街、第4章の歓楽街の誕生、第5章の「裏寺町」の空間文化誌、終章の「会館」という迷宮

の7章で構成されたこの本は読みごたえ抜群であると同時に

自分たち料理人や飲食人はこんなに楽しい「場」を提供して

文化の礎となれる事を理解してほしいと思う。

料理を作るだけが我々の仕事ではない

全部の一部であることを理解してチームで「場」を盛り上げて欲しい。

最後にここまで読んで頂けた方はおそらくこの本を読みたくなっていると思う。

僕は最初の一文で心を掴まれこの本を買いましたが

でもあとがきの最初の一文でさらに心を掴まれました。

きっとこの作者さん「加藤政洋」さんは書きながらもさらに

酒場愛を深めたんだと思う。

素晴らしい作品でした。

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